楽しいパーティ

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楽しいパーティ

秋哉が言っていた、 「家から全員追い出したいから、カズ、お前を呼びたいんだ」 の理由が明らかになって、カズエは大きなため息をつく。 こんなことだろうとは思っていたが、もう少し色っぽい展開を期待していた自分が、ものすごくむなしくなる。 秋哉らしいといえば秋哉らしすぎて、ため息をついて諦めるしか仕方がないではないか。 それでも、 「メシは奢るから」 という秋哉の言葉に少しばかりの希望を抱けば、それも、 「スズネのやつが、用意してから出かけるって言いだしてるからな。カズと買い出ししてから連れてくって言っとく。マックでいいよな」 クリスマスなんだから、せめてケンタにしてくれと心の中で突っ込みつつ、 「なんでもいーよ。よかったら私作ろーか」 「作れんのか!」 意外にも秋哉が食いついてきたのでびっくりする。 うかがうように、 「たいしたものは出来ないよ。調理実習でやったのなら、なんとか……」 すると秋哉は、 「十分だ。よかったースズネってばとれぇクセにそんなことばっか言い出すから。あいつに用意させたら、いつまでたっても出かけられなくなる」 別にカズエの手料理を喜んだわけではないらしい。 「……はぁ、もう」 秋哉のデリカシーのなさには、ホントうんざりする。 それでも家で何度かハンバーグの練習をしたのは、カズエの乙女ごころだ。 お陰でカズエの家族は、わけの分からないスパイスが投入された微妙な味のハンバーグとか、玉ねぎの入れすぎで形がまとまらなくなった、そぼろもどきのハンバーグとかを毎晩食べるハメになった。 ハンバーグヘルパーは、乙女の強い味方。
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