佳境に入ったパーティ

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佳境に入ったパーティ

信じられないことに秋哉は、退治したGの上に新聞紙を被せたままの状態でランチを始めようとするので、 「ウソでしょう。あんなものを横目に美味しくご飯なんか食べられるわけないじゃない」 カズエは冷ややかな視線で言い放ってやった。 「片付けて」 「ウ、ウソだろう。オレが?」 「他に誰がいるっていうのかしら」 調子に乗って秋哉を見下ろしてやると、 「チクショー、この世に神はいないのか」 秋哉もノリノリで、大げさに嘆いてみせる。 ちょっと楽しい。 ギャーギャー言いながらホウキを使って、レジ袋の中にGの死骸を片付け、持ち手のところを固く縛る。 秋哉は指先で袋の先をつまみあげると、違う部屋へ持っていった。 「どこに捨てたの?」 と聞けば、 「ハル部屋のゴミ箱」 と答える。 後で怒られやしないだろうか。 さすがの秋哉も手洗いに行くというのでカズエもついていった。 「ねぇ、いつもはどうしてんの?」 秋哉があの調子なら、来生家でGが出たら、いつもは誰が退治しているのだろうと思って聞けば、 「アレはトーイの役目だ」 意外な答えが返ってきた。 友達の家に出かけていると聞いている末っ子は、今日はこの家にいない。 でもカズエが中学3年の時に新入生として入学してきたから、冬依のことは見知っている。 類を見ないほどの美少女然とした男の子で、入学式にはちょっと騒然とした。 そんな冬依を捕まえて、 「トーイはスゲェんだぜ。ヒッサツヒッチュー。見つけたら物も言わず一発だ。顔色ひとつ変えねーぞ」 自分のことのように秋哉は胸を張るが、ちょっと意外すぎる。 あの一見しただけでは女の子にしか見えない冬依が、まさかの無言の凶手。 どちらかといえば秋哉と一緒にキャーキャー言っていそうなイメージがあるのに、Gが弱点だった秋哉といい、人は見かけによらないということか。
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