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『 ファイナリスト 』
第1章 夢の舞台
コートに一歩足を踏み入れた瞬間、私は私ではなくなる。そこに存在するのは牙を剥く戦士と化した私だ。
そんな大事な戦いに臨む時、背中には期待という重荷が重くのし掛かってくる。
でも、それは私に授けられた希望、それを掴む為に私は真っ直ぐに前を向いて歩くようにしている。
私の視界に映る観客席の声援も審判の発する声さえも全てが雑音に過ぎない。
戦いはすでに始まっており、勝敗の行方も自らの中では決している。
後は粛々と成すべきことを着実に実行するだけだ。
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