4 神童

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その夜から二十年が過ぎた。僕は色々考えて機械や電子工学やら勉強して電車の車両開発の仕事に就いた。母親は定年後塾長のトコを手伝ったりする傍らまた大学院で歴史を勉強してる。父親は定年しても前と変わらす明治屋で酒三昧。回数は減ったけど僕は相変わらず台車でお迎え。一緒に行くのは3つの娘と奥さん。”小さい手“の彼女は僕が京大をやめると言うた日から連絡して来なくなった。 「ヨッシャ、布団へ運ぶで」 ヒョイと父親を抱える奥さんの手の大きいこと!大きいこと! はるかに“横綱“を越えとるなあ ・・・なんて 暢気なこと考えながら暮らしてる。
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