1)ホーリークリスマス

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1)ホーリークリスマス

 [待ち人来ず]  女はその手に掴んだ小さな紙をゆっくりと開くと、そこに書かれた文字を凝視した。  ただ一点、求めた項目にはそう書かれていた。  ああ。  落胆を隠しきれず、長い息を吐く。  もちろん、これが全てだなんてそんな馬鹿げたことは思っていない。しかし、その言葉は今の彼女にはあまりにも残酷な告知であり、総合的に大であろうが、中であろうが、末であろうが、その言葉さえ無ければいいとさえ思っていた。  こんなことを望むのは間違いなのだろうか。  この望みが叶ってもきっと多くの人を傷つける。迷惑もかける。それでも―――。  ふと横の項目が目に入った。  これは・・・まだ希望がある。  その言葉を胸に、彼女は数多く括られているのと同じように自らも神聖な木の板に望みを綴った。  どうか。  どうか―――。
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