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―――いやいや、劇的すぎやしないか。
斜めに思ってしまう伊藤をよそに、隣の山本は一人「雪だー!」とはしゃぐ。
「メリークリスマス!」
空に向かって山本が叫んだ。
今日はクリスマス。
小川の声を思い出す。
―――伊藤君。メリークリスマス。
「・・・メリークリスマス」
小さく呟くと、ものすごく恥ずかしくなった。
「なんか言った?」
「いーや。何も」
あ、そ。と言ってからまた空を見上げた山本は、突然何かに気付いたように伊藤の顔を見た。
「伊藤、また一つ謎を見つけてしまったぞ」
「ん?」
「メリークリスマスのメリーってなんだ?」
―――知るか。
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