君とおでんが食べたい

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 コートを脱いで渡したハンガーにかけて、玄関近くのラックにかける。その間に谷川はコタツの中に入って「あったけ」とくつろぎ始めた。 「少し待っててくれ。今お酒とお通し持ってくから」  貰ったビールとケーキは冷蔵庫に。ついでにグラスも二つ冷やす。そのかわりに昨日の夜に作っておいたジップロック入りの鶏胸肉を取り出した。  日本酒とクレイジーソルトで味をつけてジップロックに入れたまま蒸した簡単鶏ハムはお酒のつまみには美味しい。これにニラを刻んでポン酢を少々とごま油で香りをつけたそれも用意する。  それと一緒に茹でた鶏皮を軽く炙って細かく刻み、そこに沢山のネギともみじおろしを入れて小鉢にする。  徳利に実家から送ってきた日本酒を注いで湯煎にかけて温まるのを待っていると、不意に後ろから腕が伸びて抱き込まれた。 「こら!」 「いいじゃん、ちょっとだけ」  悪戯するみたいな色気のある声が耳元にかかる。身長はあまり変わらないが、普段から鍛えているらしい谷川とは体格が違う。 「エプロン姿って、どうしてこんなに色っぽいのかな。先輩の後ろ姿見てたら、触りたくなったんだ」 「こんな場所で盛るな! んっ!」  後ろから伸びた手がエプロンと服の間に入り込んで、布越しに乳首を摘まむ。それだけでピリッと快楽が走って、僅かな声が漏れてしまう。     
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