最終章

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「これで全部っと……かーっ、アクムとやり合うより疲れたわ」    七月九日、午前零時。藍の言った最後のアクムが襲来するまで、残り一時間。弥一は団長室のソファにぐったりともたれかかった。 「お疲れ様です、お茶でも淹れますか?」  市街地の地図とにらめっこをしていた藍は、立ち上がろうとするも、 「あーいい、いい。その気になったら自分でやるから、お前は自分のことをしろ。むしろ残り一時間だ。しっかり休め」  そう言い、丁重にお断りされてしまった。  暁の提案を受け入れてから、まずは団の中でのブリーフィング。すると次に行わなければならないのは鴉を除く他の全団への協力要請だ。鴉だけがアクムに手を出さないというルールを守っても、他の団にそれが知られていないのでは意味がない。弥一は鴉の新団長として、今回の作戦概要の説明をすべく、他の団に連絡を取った。
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