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第31話:落ち着く味と落ち着かない鼓動
ファルルと一緒にシルフォードを出た綴文。
そのまま森を抜けるだけでは勿体無いと思い、道中食べられる物がないか探しながら歩いていく。
来る時は気付かなかったが、食べられるキノコが沢山生えていた。実にホクホクだ。
「綴文様、キノコは食べられるんですか?」
「大丈夫な物ですね、ある調味料が無いので、手に入れるまでは保管する事になりますがね……。」
「それを料理するのに必要な物があるんですね……残念です。」
「何時になるかは分からないけど、楽しみにしててくださいよ。」
なんて事無い話をしながらキノコを採っていき、満足した頃には森の出口近くまで来ていた。
なんとなしにファルルが誘導していたのに綴文は気付かなかったが。
そこからの移動はとても早かった。
ひたすらに平原を進んでセリカの森手前まで到着、休憩がてらティンカーグレープを食べて、またひたすら森を進んで行く。
特に猛獣と遭遇する事は無かったが、野兎を二匹見つけ、二匹共狩っておいた。
フォレストエルフは生き物を殺すのを良しとしないのだが、ファルルは別段気にしないようだ。
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