Ⅰ 魔女と魔術師

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 輝くような金色の髪を一つにまとめて、空の色にも新緑の色のようにも見える瞳をきらめかせながらやってきた彼女は、両手で持っていた皿をテーブルに置くなりいそいそとわたしの方へ近づいた。あたたかいものをぎゅっと詰め込んだような人だと、見る人全てに印象付けられそうな。彼女は自然な動作でわたしの両手を取る。 「初めまして、チェルニーです。扉の四人(、、、、)であるブラン家の末になります。急にこういう運びになっているのでわたしもびっくりです!」 「初めまして、季高……広夜、ランヴァル、です」  相手が立っているのに合わせて立ち上がると、チェルニーが頭一つ分背が高いことが知れた。自ずと見上げる形になるので、本当に、さっきまでの不安が掻き消えそうなくらいの笑顔を浴びる事になる。好意的であるのが纏っている雰囲気でとても伝わってくる。存在が眩しい。 「こちらの空気はどうですか? 気分が悪くなったら言ってくださいね。始めは慣れない人もたまにいますから」 「ええ……先程リウに聞きました」  それを聞いたリウが、おっ、と嬉しそうな顔になるのが横目に見えた。 「そうだリウさん、いきなり空間を繋いで出て行ったので、わたしもミユさんも驚きました」  今から敬称を付けるには遅いだろうか。
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