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一晩明けて目が覚めた場所が自分の部屋だったので、昨日の事が実は夢なんじゃないかと寝起きの頭で考えていた。結局聞けたのが魔法使いや魔女、魔術師たちがどういったものなのかということだけで、兄については明日また話そう、と言われたのだ。たくさんのことをいっぺんに聞いても混乱するだろうから、と。そう、明日、と言っていたが、わたしには昨日の彼等のような移動手段がない。ぱっと起き上がって試しに自分の部屋のドアノブを握りしめ、台所に出たいと念じて開けてみたがいつのも廊下に繋がった。兄は自分が本来の姿に戻るための方法やツァウベルの流れを見つける方法、簡単な身の守り方、家に掛かった魔法の使い方は教えてくれたが、空間を移動するための方法は教えていなかった。おそらくこれまでの生活に即したものから順番にと思ってのことだろうとは思うけれど。
とにかく昨日別れる際に明日ねと手を振ったリウを思い出して、せっかく兄を見つける糸口を掴んだのだから、あれは夢じゃない現実だと信じるしかなかった。
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