過去*

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「それに、まだ聞いてないけど、わたしの友人にも何かあったら困るもの。どう? この空間にわたしより先に来た魔法使いの様子は」  リーヴェルはついでのように聞いてみた。 「あの男なら、わたしにもあの光にも気づいていないわ」 「そうなの?」  リーヴェルが眉を顰めると、サリタは表情を隠すように下を向く。 「気づかないから、ここのみんなもいなくなってしまったのよ。わたしの兄も。気づいたらわたしだけが残っていたの」 「じゃあなおさらわたしと一緒にいてもらわなくちゃ」  サリタの腕を開放して、それから手を取り引き寄せる。杖の先を彼女の額に当てた。 「一人じゃどうにもできないなら、二人になればいいのよ」  もう一度二人の目が合ったとき、リーヴェルはやはり彼女の淡い双眸がとても好きだと思った。
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