短編怪談集

１．夢の遊戯室

でも、長時間麻雀を打っているとやっぱり集中力が続かない時があって、ある日疲れと眠気で意識が飛びかけた時があったんです。

そのとき、気が付くと右前に座っていた常連さんが突然白い布に覆われていたんです。

そのお客さんの首には縄がかかって上に引っ張られるような感じでした。

ちょうど雨の日に吊るす『てるてる坊主』のような佇まいです。

布にすっぽり覆われて顔は見えないんですけど、その常連さん結構太っててシルエットはそのままだったので、同じ人には見えました。

お客さんがその変な姿に見えたのは意識が飛びかけたほんの数瞬だけだったんですけど、その人そのとき麻雀ですごく負けてたんです。

こういうレート高めの雀荘って負け始めるとお金が無くなるの意外に早いんですよね。