7人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ! サプリメント忘れた!」
寝惚け眼をこすりながら、ボーッと突っ立っている僕の前を休日出勤の支度を終えた彼女が、パタパタと走っていく。
「ビタミン取らないとねー」
なんて言いながら、リビングのテーブルの上に置いてあった彼女愛用の薬ケースをバックに詰め込む。
「最近、サプリメントとの量が増えている気がするんだけど……」
「バレた? 美容の為だよ。あ。昼ごはん作ってあるから食べてね?」
「……うん。ありがと」
「今日は19時には帰れるから」
「わかった」
僕が頷くと、彼女は黒いパンプスに足を突っ込む。
だけどまた、すぐに声を上げる。
「あ! スマホ忘れた!」
またリビングへと走って行く彼女の姿に、僕は苦笑いを浮かべた。
最初のコメントを投稿しよう!