待っててね…。

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「あ! サプリメント忘れた!」  寝惚け眼をこすりながら、ボーッと突っ立っている僕の前を休日出勤の支度を終えた彼女が、パタパタと走っていく。 「ビタミン取らないとねー」  なんて言いながら、リビングのテーブルの上に置いてあった彼女愛用の薬ケースをバックに詰め込む。 「最近、サプリメントとの量が増えている気がするんだけど……」 「バレた? 美容の為だよ。あ。昼ごはん作ってあるから食べてね?」 「……うん。ありがと」 「今日は19時には帰れるから」 「わかった」  僕が頷くと、彼女は黒いパンプスに足を突っ込む。  だけどまた、すぐに声を上げる。 「あ! スマホ忘れた!」  またリビングへと走って行く彼女の姿に、僕は苦笑いを浮かべた。
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