第一章 夜は静かに笑う

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 俺は元の大きさに戻ると、倉田のノートを読み始めた。  倉田は眠ったままで、起きる事がなく、会話は聞こえているが返事はノートに書いていた。 倉田の能力は、語り屋で、文章は小説風になっていた。 「仕事ですね、題名があります」  倉田は仕事に題名を付けて書き始める。 今回のタイトルは『夜は静かに嘘をつく』であった。 そして、倉田が文章の最後に、終もしくはエンドを書くと仕事が終了となる。 「人探し?能力者探しみたいですけど、一人なのかな……」  俺がノートを見ながら唸っていると、後からノートを奪われていた。 「遅い!」  押入れから出て来たのは、興梠 泰三(こうろぎ たいぞう)であった。
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