第一章 夜は静かに笑う

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「嵩原さんが抜けてしまったからな……死保のメンバーは欲しいけど、生きているのでは、 ここに来られないな……」  倉田の書いた内容を読んでみると、対象となっているのは、 久住 高志(くずみ たかし)二十八歳。 普通の会社員の家庭で育ち、姉と妹がいる。 大学を卒業後、そこそこの企業に就職したが、四年目に解雇となった。 その解雇の理由が、取引先を根拠の無い理論で罵倒したとなっている。  しかし、解雇の半年後に、会社からの謝罪を受けて、解雇は取り消しになり、 自主退職となった。 久住の言った事が、現実に起こり、根拠はあったのだが、証明が出来なかった のだと訂正されたらしい。
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