『星の子供たち』 あとがき

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『星の子供たち』 あとがき

『星の子供たち』はエブリスタでの初投稿でした。仕様やルールなど右も左もわからないなか、最後までお付き合い頂いた皆さま、改めましてありがとうございました。 それまで長いこと三人称の硬い文章を書いていたので、久しぶりに一人称で書いてみると、するする言葉が出てくることに感動しました。しかしもう少し文章を錬ったほうがよかったな(とくに後半)と今更ながら思ったりして、今後しれっと推敲するかもしれません。 この物語を書こうと思ったきっかけは、ジョバンニとカムパネルラのような少年二人の物語を書きたいと思ったこと。併せて最近のディストピア・終末もののブームに感化され、最後は世界にたった二人だけ、みたいな話を書きたかったからです。 そしてぱっと思い浮かんだ名前が暁とスフェンでした。思えばこのときから二人の運命は決まっていたのかもしれない。 暁は朝焼けの海に沈み、スフェンは緑になった星で神様と呼ばれる。私は最初と最後だけ決まればとりあえず書き始めてしまうので、書き終えたあとは自分でも「こんな話だったのか」と思ったりします。 昔から歴史や民俗学、文化人類学が好きでした。文化のあるところには必ず神様がいて宗教があり、信じる信じないに関わらず、人間が社会を形成していく以上、無くてはならないものなのだと考えます。そしてイエスやブッダ、天照大神ばかりが信仰の対象というわけではないのでしょう。 「この人の言うことは絶対だ」と思うことが信仰の始まりであり、特定の宗教が根付いているわけではない日本においては、アイドルや政治家、漫画やアニメのキャラクターなどが神の代わりになることもあるのだと思います。 人が信じる神を否定することはその人を殺しかねないことで、自分が信じていないからと言って、簡単にけなしたり冷笑したりすることはできないし、批判も熟考を重ねた上でされるべきはず…と、最近の互いを貶め合う言葉が頻繁に飛び交うネットを見ていると辛くなります。 話が逸れましたが、人間にとって神様って何かな、ということを物語を書くことで考えてみたかったのでした。SFは千年とか万年という時間をひょいと簡単に動かせるので、案外神話的な話を書くのに向いている気がします。 また私が書く物語の特徴として、目は大事だし、美少女には頭が良くあってほしいし、美少年には植物を育ててほしいし、強い男には脆い部分があってほしいという嗜好があり、この物語にはその性癖が強く表れていました。自分が分かりやす過ぎて恥ずかしい。 表紙の素材はぱくたそさんからお借りしました。いつもお世話になっています。 ところで『星の子供たち』は当初noteであまり閲覧数が伸びず、それに焦ってエブリスタへの投稿を決めたのでした。ネットの小説や漫画はハッピーエンドが好まれるらしいので、ハッピーではないと(noteでは)明言したことがよくなかったか、暁とスフェンが別れる展開がよくなかったか、普通に面白くなかったか…。 多くの人に読まれることを意識するなら読後がスッキリした話を書いたほうがよいのだろう、と読者受けを意識したところで、私はなぜ物語を書いているんだっけと思ったりもしまして。 もともとは自分が楽しむために書いていたはずだと思い出してからは、自己顕示欲や承認欲求が高まると苦しくなるということに気づきました。たくさんの人に読まれて面白いと思ってもらえたらもちろんうれしいけれど、楽しくなければ続けられない。初心忘るべからず。 とは言えその後は少しずつ閲覧数が伸び、エブリスタでも思いのほか読んで頂けたことは(新作セレクションで取り上げて頂けるとは思いもよらず)やはりうれしかったです。無名の素人が書いた小説に面白さの保証はどこにもないし、数ある小説から選んでもらい、更にここまで読んで頂いた方には感謝に堪えません。ありがとうございました。 と、ここまで下書きしていたところで執筆応援キャンペーンで入賞を頂きました。入賞もうれしかったのですが、コメントでいろんな方からこの話を好きだと言って頂けたことがとてもうれしいです。重ねてお礼申し上げます。
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