『紅の石使い』あとがき

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『紅の石使い』あとがき

7月からほぼ2ヶ月の連載でした。お付き合い頂いた皆さま、ありがとうございました。まだ読み終えていない方は、よろしければ最後までお付き合い頂けるとうれしいです。 当初は14万字程度と余裕で8月中に終わるつもりでいたら、ちまちま加筆修正するうちに15万字を越えて心配しましたが、ぎりぎり終わってほっとしました。途中で新作セレクションでもご紹介頂き、恵まれた作品になりました。(そして今日『星の子供たち』を完結作品特集でご紹介頂いてました。ありがたい…) この物語は一年ほど前noteに掲載したもので、(私にしては)たくさんの方に読んで頂いたのですが、そのときの反応からいろいろ課題の残った話だったと思い、非公開にしてリライトの機会を窺っていました。しかしリライトするなら1話から見直す必要が…と考えたところで頭が痛くなり、ずっと放置状態でした。 が、この話は最初に書き始めたときから8年ほど経過していて、(とは言え8年間ずっと書いていたわけではなく、飛び飛びで数年の休筆期間を含みます。本の宣伝でも度々「構想○年」「執筆期間○年」という一見壮大な文言を見かけますが、その間ずっと書いてたはずがないよなと思うようになりました)「もうどこをどうしたら面白くなるのかわからん!」と煮詰まって公開したところもあったので、放置した一年で少しクールダウンできたのか話の筋以外にもごろごろ出てくる基本的な文章修正の嵐…。一年前にnoteでお読み頂いた方には感謝しかございません。 昨年noteで公開したときいろいろ気付くことがあったのですが、エブリスタでも気付くことがありました。読んで頂かなければわからないことなので、ほんとにありがたいことです。まだまだ精進したいと思います。表紙の写真はぱくたそさんからお借りして作りました。ぱくたそさんは種類も豊富ながらクオリティが高くて好きです。 そしてここからはネタバレを含む創作の話。 『紅の石使い』はファンタジーの基本中の基本、「行きて帰りし物語」をベースにしています。そこに田中芳樹さんが「貴種流離譚」を反転させて考えた「逆貴種流離譚」が面白いと思い、これを何とか取り入れられないかと考えたのがアロモというキャラクターでした。 そのため当初はとても「逆貴種流離譚」を意識して書いていたはずが、書き上がってみればサメロのほうに「貴種流離譚」と似たようなものが当て嵌まっていて、自分でも「こんなはずでは…」と思ったものの、やはりこの手の類型は物語にしやすいのだと感じました。 「王室」「スクーロ」「書見塔」の三角関係は日本中世における権門体制にヒントを得たのですが、こちらも蓋を開けてみれば全然違うものになったような。結局最後までどの勢力も倒れないのはそのためです。権門体制って?と気になった方はWikiってみてください。 誰かひとりが悪いわけではない物語を書きたいと思いました。世界は大勢の人の思惑と、過去より連なる様々な出来事から成り立つ重層的なものだと考えていて、人にしろ社会にしろその表面の僅かな一部分だけを見てすべてを知った気になるのは奢りだ、という自戒を込めて物語にできればと思ったのですが、それが成功しているかどうかは自分でもわかりません。十年後くらいに読み返してみて、面白いと思えたら成功なのかな。 そんな話とは別に、この話にはプライドの高い男が生意気な少女に振り回される年の差カップル、実力はあるのに少し抜けてる年上従者(男)と中二病をこじらせた年下君主(美少年)等々、自分の性癖をこれでもかと詰め込んでおりまして、書いていて大変楽しかったです…。 アロモとマルグラントがいかにして恋仲になったのかという話はもう少し詳しく書きたかったのですが、これ以上長くなるのはどうかと思ったのと、書くならいっそ少女小説のような甘いテイストにして別の話にしたいと思っていたので今回も省きました。あー、いつか書きたい。ついでに作中から三年くらい遡ったサメロとオートの小話とかも書きたい。萌えを自力で捻出できるのは最高ですよね。私が創作する理由はそれだ。 何だか最後はどうでもいい話になりました。改めまして、ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。またしばらくは低浮上になる予定ですが、また何か新しく書き始めたら、温かく見守って頂けるとさいわいです。
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