第四話 すれ違い

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第四話 すれ違い

高山桃子は朝自分の枕が涙で濡れているのに ここ数日連続で目を覚ました 実際これほど心が痛むものだとは 想像もしていなかった これまで生きてきて男女であんな愛し方があり あれほどの強烈な感情を抱けるものなんて 知らなかった 美しい思い出がどっと呼び寄せる 彼の愛撫の一つひとつが 言葉の一言ひとことが 肌の味わいも 温かさも 男らしいにおいも 体のなめらかな感触も知っている 彼が絶頂をこらえた切ない顏も見たし 悦びの喘ぎ声も聞いた ずっと恋焦がれていた 新藤修二という男を知ったのはいいが あれは一夜だけのこと それ以上求めることは許されない 自分は彼を深く愛してしまった・・・ 叶えられない思いの苦悩が ある上によく分からないが 別の感情が生まれているのにも気付いた
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