2人が本棚に入れています
本棚に追加
*
現実離れした光景なのに、それを冷静に見つめている自分がいる。そしてそれをどこか懐かしく感じる自分も。
少女が口を開く。
「……あの子は蝶が好きだったのか?」
「さあな、ただいつも楽しそうに折ってた。“緋色の蝶”は特別みたいに」
「そうか。のう朱、邂逅とはわからぬものだな?こうやって、また繋がってゆけるのだから」
着物の袖口を口元にあて微笑む少女。それは面白がってるような、どこか嬉しそうな、そんな思いが滲んで見えた。
最初のコメントを投稿しよう!