袖、、触れ合う

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ぱあっと、なる よし坊の表現。 七の、 膝に股を開いて座りながら、 右側に座り込んでいる 七の、おっかさん めがけて、かわいい小さな 右手を精いっぱい伸ばす、が、そこは 幼子 左の手は、七の、袂を掴んだままに よし坊の 右手に 、顔を寄せる 、かよ、、 よし坊が、 かよのほほを その汚れた小さな手で、 包む。 微笑み 笑う、 かよ、、よし坊が 「おいらの、おかあが、ふたついるよ。 ひとつは、細くて キレイなおかあ・・ もう ひとつは、 白くて ほっぺが、まあるい かわいいおかあ! おいらの、おにいは、おかあふたりに なったの・・?」 「寝言は 寝てる時、言いなよし坊・・」 七が、少し 強い口調で 話をする 「七。まだ 幼い子だよ、 あんまり いじめないで・・おあげよ」 七の、おっかさんが、心配して話を割って 入った、当のよし坊は、目をくりくりに 見開いて、ふたりのおかあを交互に見ている。 その様子が、幸せそのものに見ていた 熊吉っちゃん、、、少し離れた 所に 膝まずいていたのを、両手を付いて はいはいしながら、、ゆっくり よし坊に、近づいてきた、そして、、 よし坊の側に、又、ちょこんと熊みたいな 大きな体を膝まずかせた。 「よし坊、、よし坊の おにいと、おかあは、天国に行っちまったァ。 だかな、よし坊、これからは おまえを、抱き締めている、キレイな七さんや 六助親分のおかみさんや、六助親分・・」 熊吉に話を、振られた 六助 女房のかよに、言い負かされ 独演を終わり、ショボくれていた矢先 「おれも?かい!!」 何て、諦めの悪い返事をした が それは すぐに、言葉を引っ込める。 かよ が、 怖い顔をして又睨んできたからだ・・ …あぁまだ、 納得なんかしちゃいねぇのにさぁ… そこまでは、もう 言う勇気が ろうそくの火の ように吹き消された、六助は言葉を濁した。 「そうだよ、おれとか、後 まだ要るぞ…」 等と、訳解らない返事をしたが 熊吉は、しんみりと また 話をつづける 「もちろん、(おい)ら 熊吉もよし坊の見方だ 今は、理解できなくても大きくなれば 分かる事だ、よし坊…おにいやおかあの分まで、幸せに 生きろよ・・・」 「良かったなぁよし坊。オィ オィ・・」 泣く 熊吉、、
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