多生の縁。

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「何ですか?この 赤く 吸われた後は? あっしが、 この後が付いた訳を知らないとでも 分からないとでも、思ってますか? 旦那 随分頑張ったんじゃないですか?さぞや 気持ち良かった事でしょう、その後だから 欲情しちまったんだろう?勘違いにも ほどがあるや、、さぁさぁ 帰った帰った…」 一之進を、片手で 追いやる。その 顔は 無表情…やっぱり、男って奴は馬鹿だ!… その 一言に たどり着いた。すると、、 その場を、 直ぐ立去ると思っていた 七の目の前で 一之進は、 着物をはだけ 上半身を出した。 七は、唖然とした …何を考えているのか?その行動に理解不能… 取り繕う事もなく、真っ直ぐ七に 近づいて、向かい合う一之進が、ものを申す。 「今現在、 私は、七を慕って居ることを認める だが、あの時の私は、 自分をもて余していたのだ、、馬鹿な事をしたと思う、反省もしょう。 これからは、しち・・以外は、抱かない 約束する・・だから、機嫌を直せ、七…」 「・・・・・・・」 何を もって、詫びているのか? 赤い跡を攻めている訳でもないのに・・ その、 行為を 問い正している訳でもないのに・・ あたかも、付き合いをしている者同士の 内輪喧嘩 みたいに、詫びる 一之進に 絶句してしまう。七・・ その時 「うっワ~ん、ワ~ン、・・」とよし坊が 泣きながら、起きた。そして、 「おかあ!ゴメンよ~ お布団に。濡らしたよぉ~ゴメンなさい、、」 確かに。よし坊を包んでいた。羽織と 敷き布団が少し 濡れていた。 寝起きにすぐ、立ち上がり 濡れていた 七の羽織を 抱き抱えて よし坊が、わーわー泣き叫ぶ。 上半身裸の 一之進が、慌てて 着物に袖を 通しながら、、よし坊をなだめる 「夢でも、見たんだろう?泣くな よし坊、、 誰でもが、通る道だから、安心いたせ・・」 自分にも 言い聞かせている様な 一之進の言葉 の上から、七が被せて 話をしてきた。 「よし坊、怒ってないよ。だから安心しな。 濡れた着物 脱いで、着替えようか? よし坊が寝ているのに、騒がしくしちまって 堪忍してくれ・・」七の言葉は よし坊に どこまでも、優しい
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