絆…(其ノ二)

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絆…(其ノ二)

「よし坊!はちの兄ちゃんが 後で、美味しい たくあん食わせっからよ。 待ってなよ…かわいいなぁ、、こんな べっぴんさんの子供、初めて見たぜ!おいらが よし坊 守ってやっから、安心しなよ!」 と、八吉。 「何いってんだい!ろくにオンナ子供の相手も出来ねぇ、はち と とう のお二人さんよ! その点、おいらは 気が利くぞ!きゅうの兄ちゃんが、面倒みてやっから、安心しな… くぅ〜ッ、おかっぱ頭に 整ったキレイな顔 正しく、七さんが おっかさんを 買って出ただけ あるなぁ!」 その後から、九太。 「お前ら 嫌がっていたじゃねぇかよ! ガキは嫌だの、チビは嫌いだの 抜かしていたくせして!よし坊を見るやいなや、手のひら返しやがって、こんなに 可愛い キレイな 子供 見たことないから、まぁ 汚ぇぜ 心がよ! その点、オイラは よし坊中身を見てから 決める。そぅ言っていたからなぁ!よし坊 じゅうの兄ちゃんが、お前を守っから… 安心しなよ、、かわいいなぁ〜」 デレる、十松。 「ありがと〜!え〜っと・・ はちにぃと、きゅうにぃと、じゅう兄ちゃん!」 ニコニコ している よし坊の顔… 「かっ、かよ 、起きていたら よし坊 ここへ連れてきなよ。 はち きゅう とう の 三人の兄ちゃん達 紹介すっからよ!」 そぅ、一時前 かよに 言いつけていた。六助 すっかり、綺麗に汚れが落ちた その かわいいと言うか・・キレイに整った 容姿を マジマジと 台所で 見ている。 夕飯の仕込みを忘れた。包丁を握る手が止まり 口をポカーンと開けて、よし坊を 見ていた。 考えがぶつぶつと声に出ている。 「…あれが、明け方 店先で泣いていた 薄汚れた チビなんて 思えなねぇ、、よく 無事でいてくれたものだ。あの玉じゃ 邪な大人が、放っておかねぇ!無事でよかった、チビのおっかさんは、ちゃんと守って くれていたな。こりゃ七と巡り会ったのも 運命に違いねぇ、、神様は見ていたのさ…」 お経の様に、一定の拍子で ぶつぶつと呟き 今の状況を、納得している。 はち、きゅう、とう、の三羽ガラスでさえ 自分達の イケた顔立ちを忘れ よし坊を 絶賛して 可愛がっている。 六助の女房が 営む 飯屋の 騒がしさに 通りを歩く、人達も 足を止めて 見ている 者も出てきた。 人間とは、現金なものですね・・・
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