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60歳、定年を迎えたその日 私は突然、『待ち人屋』になった。 気づいたら、家の私の机の上に『待ち人屋マニュアル』なるものが置いてあり、妻が私をからかっているのだろうと、妻に聞いても 「私は、そんなの知りませんよ」 と、呆れたように返されてしまった。 うぅん、私もこんなもの知らないのだが…。 とりあえず、マニュアルを開いてみれば、どうやら私に選択権も、拒否権もなく、もう既に私は『待ち人屋』で、その能力も備わってしまってるようで。 そもそも、『待ち人屋』とはなんなのだろう? 見たことも聞いたこともない。 私はまず、その説明から読んでいくことにした。
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