待ち人屋

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そして、『待ち人屋』が依頼を受けると、待ち合わせの相手の情報、相手と依頼主の関係まで、私の頭の中に入ってくる事になっている。

要は、私が依頼主の代わりに、相手を思って『待つ』のだ。

約束の時間の前15分から、約束の時間の5分後までの20分、私は依頼主の代わりに『待つ』

その20分の間に、依頼主が来た場合は、私は報酬を貰う。来なかった場合は、報酬なしで終了。

時間さえ重ならないなら、いくらでも依頼は受けられる。そんなところだろうか。

あとは、一つ例外もある

出張や転勤、その他様々な理由で、年単位で離れ離れになった人達の、再会の待ち合わせ。

〇年後にまたここで会おう、そんなかたちの待ち合わせ。

これも依頼を受ければ、私が代わりに年単位で『待つ』事が可能。

マニュアルには、大まかにそのような事が書かれていた。