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私が一番最初に受けたのは
中学生の女の子の依頼だった。
初めて出来た彼氏との、初めてのデート。緊張して寝坊したり、乗る電車間違えたりして、遅れてしまったらどうしよう!!
そんな気持ちから、私に依頼をしたらしい。
なんと可愛らしい待ち合わせだろう!
私は深く考えもせずに、即答してその依頼を受けたのだが、そこでふと報酬の事を思い出した。
自分で、どうとでも設定出来る報酬。
どうするか?
しかし私はさほど悩まなかった。
初デートの待ち合わせ、相手をドキドキしながら待つ気持ち、そんなもう忘れ去った、甘酸っぱい気持ちを体験し、思い出す、それだけで十分素敵な報酬じゃないか。
なので私は、この相手を思って待つ気持ち、それが報酬だと思い、依頼主には特に何も要求しないことに決めた。
そして、私の最初の依頼は大成功に終わり、私は学生時代、妻と初めてのデートした時の気持ちを思い出した。
それはとても恥ずかしく、甘酸っぱいものであった。
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