1人が本棚に入れています
本棚に追加
「あらあら、あたし結構顔や身体には自信がある方なんだけど、そんなに言われちゃうとちょっとショックね」
腰を抜かした兵士達は恐怖に大きく目を見開きながら上擦った声をあげ、その様子を目にしたアイリスが首を傾げて苦笑していると、3人の魔導士がアイリス目掛けて火球を放ち、発射された火球は平然と佇むアイリスを直撃する直前に掻き消す様に消失してしまう。
「「……っな!?」」
その光景を目にした3人の魔導士は驚愕の声をあげながら立ち竦んでしまい、アイリスは悪戯っぽく笑いながら口を開いた。
「フフフ、残念だったわね」
アイリスはそう言いながら手にした大鎌を魔導士達目掛けて投げ放ち、投げられた大鎌は慌てて逃げようと背中を向けた魔導士達を真っ二つに切り裂いてしまう。
両断された魔導士達の骸が地面に転がる中、投げられた大鎌はブーメランの様にアイリスの所に戻り、アイリスはへたり込む兵士達から目を逸らす事無く戻って来た大鎌をキャッチした。
「……さて、それじゃあ次は貴方達の番ね」
大鎌を手にしたアイリスはそう言いながら冷たい嘲笑(えみ)を浮かべ、恐怖に背中を凍らせた兵士達が泣き喚きながら請う助命の願いを聞き流しつつへたり込む兵士達の所に歩を進めた。
「……あ、あの方は一体?」
突然現れてロジナ候国軍の兵士達を一方的に蹂躙するアイリスの姿を目にしたアイリーンがその光景にドン引きしながら戸惑いの声をあげているとミリアリアが魔導結界を通過して牢屋の所に到着し、近付く影に一瞬身構えたミランダだったがその姿に気付き驚きの表情で声をあげる。
「ミ、ミリアリア殿!?」
「ミランダ殿、皆を下がらせてくれっ牢を破壊するっ!」
ミランダに声をかけられたミリアリアは剣を構えながら告げ、それを受けたミランダ達が慌てて牢屋の奥の方に向かうのを確認した後に言霊を紡ぐ。
「魔風よ、我が剣の切っ先に集え!!」
ミリアリアの紡いだ言霊に呼応して魔力を宿した風が剣の切っ先に集い、ミリアリアは魔力の風を宿した剣を牢屋の扉に向けて振り降ろした。
「ウィンドスラッシュッ!!」
ミリアリアが鮮烈な言霊と共に剣を振り降ろすと切っ先に集いし魔力の風が牢屋の扉に叩きつけられ、刃と化した魔力の風が標的となった牢屋の扉を切り裂いた。
「……ミランダ殿、大丈夫かっ!?」
最初のコメントを投稿しよう!