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避けられてる?
電話……出ない…
給湯室で日向さんに電話をかけるが
やっぱり繋がらない。
『日向さんですか?』
急須にお茶っぱを入れながら、晶さんが聞いた。
『はい。最近決まった時間しか電話繋がらなくて…なんでかなぁって…』
もしかして、昨日の写真に怒ってる?
でもそれにしても電話無視したりする人じゃないし。
『それって…』
『?』
『…いえ、何でもないです。
日向さんに限ってそれはないか。』
『なんですか?言いかけて止めないで下さいよ~。』
『いえ。日向さんは浮気とかは無縁だろうし
……何か企業向けのセミナーとかに行ってるのかも知れませんね。』
『あ!そうかも!』
そう思うことにした。
お茶を持ってフロアに戻ると
坂井さんが真っ青な顔で飛んで来た。
『のじ!!本当にごめんなさい!』
ほっとけば土下座しそうな勢い。
『仕方ないですよ。でも怒ってますからね!』
『どうしたらいいかな~?
日向さんも電話に出てくれないし……』
坂井さんも?
『多分、忙しいんですよ。あんまり気にしないで下さい。』
そこへ、二日酔い丸出しの長峰さんと
嬉しそうな美咲ちゃんがなぜか腕を組んで出社してきた。
『おはようございまぁす』
勝ち誇った様な笑顔で私に言ってきた。
昨日、あんなに木村さんに叱られたのに…
鉄のメンタル…
『うざい。離れろ。』
『えー?やだよぉ……』
無理やり美咲ちゃんの頭を押して
引き剥がす長峰さん。
それすら嬉しそうな美咲ちゃん。
それを白けた目で見てると
『下で会ったんだよ!偶然!』
『別に、何も言ってませんけど。』
勝手にやってろ!
昨日は私にあんな事言った癖に。
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