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社食から戻ると、私の机の上にお饅頭の箱が置いてあった。
『?』
近くにメモ書きが。
「旅行のおみやげだよ~
ありさより。」
親友の受付の亜里沙からだった。
『うわッ!また供物が増えてる!』
あとから戻って来た長峰さんがドン引き。
『供物って!私の机はお墓ですか!』
『供物は違うか。…………お地蔵様?』
首を傾げながら真剣に私を見た。
『地蔵………』
まぁ…墓よりはマシ……
イヤイヤ。ダメだろ!
馬鹿にして!
『はぁ…いっぱいありますし…
長峰さんもどうぞ。
どうせお昼食べ損ねたんですよね?
いつものように。』
『え?』
『今お茶いれますね。』
お饅頭くらいなら
こっそり食べても大丈夫だろう。
『や、後でいいや。サンキューな。』
『えッ。また外回りですか?』
『うん。』
やっぱり忙しいんだ。
仕事出来すぎるのも問題だ……
ちょっと尊敬…
『そ。あ、そうだ。伊瀬に伝言。』
思い出したみたいに振り返り
バサッと茶封筒を置いた
『こんな見積り、頭腐ってんのか。
俺が戻るまでに直しとけ。
何回もやり直ししてんじゃねーよ。タコ。』
『…………はい。』
前言撤回。
人として駄目だ。この人。
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