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翌日、登校すると
机の上には先日吉田さんに貸した問題集が返ってきてた。
吉田さんは他の女の子としゃべってる。
椅子に座って、何気なくページをパラパラめくると
……えっ!?
目を疑った。
そして顔を上げると、吉田さんはこっちを見て友達と共にニヤニヤと笑ってた。
なんで……こんな落書きだらけになってんの?
「ドロボー女!」やら「くそ女」「ビッチ」
黒塗りに近いページが続く。
『おはよぉ~』
珍しく学が遅刻しないで教室に入ってきた。
眠そうにあくびはしてたけど。
『お、おはよ!』
『?』
咄嗟に問題集を机の中につっこんだ。
『学、おはよう。』
学が来るのを確認すると、吉田さんが寄ってきた。
『おはよ。』
学は吉田さんを見ること無く、スマホを取り出し弄りながら返事を返す。
『昨日、シンヤさんから聞いたよ?』
『…………………』
『学、なんでこんな女と浮気してんの?』
吉田さんの目からポロポロと涙が落ちて
その様子に気付いたクラスメイトが徐々に黙り
教室は静まり返った。
『俺、もう別れるって言ったよね?』
『私はちゃんと話合いたいって言ったのに!
全然取り合ってくれなかったじゃん!
なんで……』
『お前のそう言うところがめんどくさい。』
吉田さんは泣きながら教室を出て
それを追いかけるように数人の女子が続く。
クラスメイトの冷たい視線が私と学に突き刺さる。
『………ッチ。せっかく1限から来たのになぁ』
そう言うと、学は私の手を引いて
教室から出た。
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