高校時代

9/11
855人が本棚に入れています
本棚に追加
/479ページ
翌日、登校すると 机の上には先日吉田さんに貸した問題集が返ってきてた。 吉田さんは他の女の子としゃべってる。 椅子に座って、何気なくページをパラパラめくると ……えっ!? 目を疑った。 そして顔を上げると、吉田さんはこっちを見て友達と共にニヤニヤと笑ってた。 なんで……こんな落書きだらけになってんの? 「ドロボー女!」やら「くそ女」「ビッチ」 黒塗りに近いページが続く。 『おはよぉ~』 珍しく学が遅刻しないで教室に入ってきた。 眠そうにあくびはしてたけど。 『お、おはよ!』 『?』 咄嗟に問題集を机の中につっこんだ。 『学、おはよう。』 学が来るのを確認すると、吉田さんが寄ってきた。 『おはよ。』 学は吉田さんを見ること無く、スマホを取り出し弄りながら返事を返す。 『昨日、シンヤさんから聞いたよ?』 『…………………』 『学、なんでこんな女と浮気してんの?』 吉田さんの目からポロポロと涙が落ちて その様子に気付いたクラスメイトが徐々に黙り 教室は静まり返った。 『俺、もう別れるって言ったよね?』 『私はちゃんと話合いたいって言ったのに! 全然取り合ってくれなかったじゃん! なんで……』 『お前のそう言うところがめんどくさい。』 吉田さんは泣きながら教室を出て それを追いかけるように数人の女子が続く。 クラスメイトの冷たい視線が私と学に突き刺さる。 『………ッチ。せっかく1限から来たのになぁ』 そう言うと、学は私の手を引いて 教室から出た。
/479ページ

最初のコメントを投稿しよう!