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さっきまで学の夢を見てたから
ずっと見てなかった高校の卒業アルバムをなんとなく開いてみた。
学は卒業出来なかったから
写ってるのは１年と２年の時のクラス写真のみ。
それでも学は人気者だったから結構写りこんでる。
明るい茶髪だったのに
今は黒髪だったなぁ…
『何見てるの？』
お風呂から上がった日向さんがタオルで髪の毛を拭きながら聞いてきた。
『卒業アルバム。』
日向さんの顔が曇った。
『日向さん、これ。学。』
日向さんには高校時代の話は聞いてもらったけど、学の写真を見せたことはない。
『へぇ。あんまり今と変わらないね。
格好いい。』
ふたりでベッドに並んで座り
ページをめくった。
あんなに嫌な思いをしたのに
こうやって卒業アルバムをめくって説明出来るようになったのは
良くも悪くも
今日、学に会ったからなのかな。
開いてみたら、案外大丈夫だった。
『ちょっと見せて。』
『うん。』
日向さんが卒業アルバムを手に取った。
そして真剣に顔写真を見始めた。
『どうしたの？』
『顔と名前、覚えようかなって。』
『えっ？全員？』
『うん。そうすれば、今日みたいなことは避けられるかも。』
ほんとに出来そうで怖い。
『もう遅いし、寝ましょう。』
アルバムを本棚に戻して、電気を消した。
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