雪解け

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私は卒業アルバムを開いて 学との出来事を全て長峰さんに話した。 長峰さんは黙って真剣に話を聞いてくれた。 亜里沙は私の横にピッタリくっついて、雑誌を読んでた。 『………で、こんな感じで今に至ります……』 随分話したなぁ… ちょっと疲れた…… 『なるほどな。よくわかった。』 しばらくぶりに長峰さんの声を聞いた。 『前言撤回。アイツは土下座じゃ生ぬるい。』 『へ?』 『私もそう思うー』 亜里沙まで…… 『でも…正直…学に対する怒りとかはもうないし。謝られても困ると言うか…… 退学しちゃった時にもう怒りは無かったよ』 『ねー。ザマミロだったよねー!』 『そもそも、なんで鈴木は喧嘩なんか起こしたんだ?』 長峰さんからの素朴な疑問。 『喧嘩の理由までは……亜里沙、知ってる?』 『知らなーい。 でもバスケ部の先輩って、いい噂聞かなかったし…くだらない理由だと思うけど。』 『ハッキリしねーな。それでも元ヤンかよ。』 『はぁ?仕方ないでしょ? 私がのじと仲良くなったのは3年の時だし そのときにはもう鈴木学は学校辞めてたし!』 亜里沙は口を尖らせて反論した。 『真相は…今となってはわからないね。』 3人とも黙りこんだ。 『…………手段は…無いことは無いよ。』 亜里沙がしぶしぶスマホを取り出した。 『メール?誰?』 『元バスケ部の中津。 たまに連絡してくるから。』 あー、うろ覚えだけど… 亜里沙に付きまとってた男の子が居たような? 『この時間だと返信来ねーんじゃね? 電話のがいいんじゃん?』 『絶対即レスだし。 それに、こっちからかけたら通話料金かかるじゃん。』 うわ。長峰さんがドン引きしてる。
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