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亜里沙の言った通り、中津君から直ぐに電話がかかってきた。
亜里沙はスマホをテーブルに置くと
スピーカーに切り替えて通話ボタンをタップした。
『亜里沙ちゃん!どうしたの?』
めちゃくちゃ嬉しそうな声。
かなり罪悪感…
『遅くに悪いわね。
あんたにちょっと聞きたいことがあって。』
『なに?』
『あんた高校時代バスケ部だったよね?
鈴木学ってなんで学校辞めたか知ってる?』
『へ?学?あー………』
中津君が言葉を濁した。
『亜里沙ちゃんて野島さんと仲良かったよね?………どうしよっかな……』
3人で顔を見合わせた。
亜里沙がどうする?的な顔。
『聞いて』と口パクで答えた。
『いいから教えてよ!』
『でも学から口止めされてて…』
『教えてくれたら
1回食事に付き合ってあげる。』
『マジで!?』
ごめん亜里沙……
そして中津君……
『一時期バスケ部の先輩が野島さんにフラれまくってたの知ってる?』
『うん。』
『バスケ部で1番人気の丹波先輩がフラれたら、野島さんに何か仕返ししようかって先輩達は盛り上がってて。』
なんだそれ?
私への告白はゲームかなんかなのか?
まぁ、ここまでは学から聞いたけど。
『部室に連れ込んで、皆で襲おうぜみたいな話になって……』
『なにそれ。最低じゃん。』
耳を疑った。
そんな事思ってたなんて、考えもつかなかった。
『それで学は先輩達に提案したんだ
野島さんへの仕返しは俺がやりますって。
で、結局野島さんは学にフラれて
女子からはハブられて、いじめにあって…
それで先輩達も満足してたし…これで怒りもおさまったと思ってたんだけど…』
なんか……気持ち悪い……
『だけどある日、学の元カノの…なんだっけ
ぶりっ子っぽい女の子が先輩達の所に来たんだ。
野島さんへの仕返し、手伝わせて下さいって。』
『あのクソアマ……』
亜里沙がヤンキー化してる…
『そのときには先輩達はもう大学の推薦決まってたし、最後にヤっちゃうか?みたいになって。
それを知った学が突然キレて、先輩達をボコボコにしちゃったんだ。』
『……そうだったの…』
中津君の話は頭をぶん殴られたくらいの衝撃で
しばらく何も話せなかった。
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