突然の別れ

16/16
852人が本棚に入れています
本棚に追加
/479ページ
結城さんの告別式から数日。 D社との細々したやり取りも全て終了し 今日でプロジェクトチームも解散。 D社から直々にうちの会社にお礼があったとかで上層部は受かれているようだ。 『このままD社との専属契約取れたりして♪』 関さんがウキウキと資料を棚に戻す。 『そうなったら、またこのメンバーが良いですね。』 珍しく表情がちょこっとだけ明るい吾妻さん。 関さんが適当に戻した資料をきっちりナンバー通りに並べかえる。 『俺はあんまりチームとか好きじゃねーけど ……まぁ、また日向部長がリーダーなら やってもいー。』 『やだ!みねっちが素直なんだけど!』 『うるせ!関!お前は外す!』 『えーひど!』 私達の最後の仕事は使用した資料の返却。 日向さんは上層部に呼ばれたきり帰って来ないし。 『ここは長峰さんと吾妻さんにお願いして 私達はクリエイティブ課の返却に行きましょう!』 くだらない争いを引き剥がし 段ボールを抱えてクリエイティブ課の資料室にたどり着いた。 『関さん、これは?』 『あー、そこ。』 『これは?』 『それはそっの方。』 『これ……』 『その辺………かなぁ?』 『もう!適当に言ってるでしょ!』 『バレたか。』 もー!クリエイティブ課の資料室 結構ぐちゃぐちゃだし! 仕方ない。整理整頓しなおすか。 『しかし、これで日向さんの次期本部長への道は大きく前進だよね。』 『そうなんですか。』 『あれ?浮かない顔だね。』 『………だって。出世したら… もうこんな風に一緒に仕事する事は無くなるんですよね?』 『そりゃあね。』 長峰さんと関さんと吾妻さんと 徹夜しながら仕事に熱中してた日向さん すごく楽しそうだったのに。 それも無くなるのは…なんかさみしい。 『……って!関さん! 何お菓子食べてるんですか! ちゃんと返却手伝って下さい! そもそも資料室は飲食厳禁です!』 全く。 やっぱり プロジェクトチームは変な人の集まりだった。
/479ページ

最初のコメントを投稿しよう!