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『ふーん。結果的に良かったじゃん』
長峰さんに一応報告。
業務中なのでお互いパソコンに向かったまま、小声。
『ご心配おかけしました。
今度は私が長峰さんを応援しますから。』
『は?何を?』
じろりと目だけこっちを向いた。
『付き合ってるんですよね?亜里沙と。』
ついにやけちゃう。
『付き合ってねーよ』
『え!?付き合ってないのにホテルに行ったんですか?最低!!』
思わず声のボリューム間違えて、視線が集まってしまった。
『行ってねーよ!!前通っただけだ、ばーか!!』
負けじと、長峰さんも大声。
『おい!そこの二人、変な私語やめろー』
課長に怒られた。
その日の夜
日向さんは私の家に来て、正式に常務に断りを伝えたと報告してくれた。
『怒ってましたか?』
『いや。冷静だったよ。』
これで諦めてもらえたのかな……
『これで俺の出世の道も閉ざされたかもねー』
『後悔してますか?』
『いや……案外スッキリした。』
ニッコリ笑う顔を見て、ようやくホッとした。
出世できなくても、またみんなでチームとして働ける方が嬉しい。
でも、日向さんの考えてることは
私とは違ってたんだ。
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