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しっかし。
見れば見るほどイケメンじゃん。
眠ってるのをいいことに、じっくり観察する。
時々うなされるように何かを呟いてる。
『日向さーん!聞こえますかー?』
『…あい…ごめん…』
『あい?』
お?待てよ?
『これは藍に問い詰めないとね~♪』
……………………………………………………………………………………
日向さんの病室に戻ると、マナミがニヤニヤしてる。
『なによ?日向さんになんかしてないでしょうね?』
『なんかしたのは藍でしょ~?
日向さんうわごとで藍の名前呼んでたよ♪』
それか。
『その『あいさん』は日向さんの彼女の名前!
私じゃない!』
マナミのテンションだだ下がり。
『なーんだつまんなーい。ほんとにただの同僚なのね。』
『つまんないって…』
『じゃあただの同僚様はお帰りくださーい。
まもなく面会時間終わりまーす。』
『え!?もう?目が覚めるまでいちゃダメ?』
『時間外の面会はご家族様のみでーす。』
そんな…
まあ、私がいても出来ることなんてないけどさ…
そんな私を見て、マナミはふっと笑うと
『また明日おいで。
きっと明日には日向さんも起きれるようになってるよ。』
マナミに諭されて
しぶしぶ病室を出た。
エレベーターで下まで降りると
とっくに終わってる外来の椅子に、水田君の姿があった。
『帰ってなかったの?』
『日向部長は?』
『まだ眠ってる。』
『日向部長のことは小林部長に連絡入れときました。
俺らも直帰でいいそうです。』
『そう…ありがとう。』
小林部長の小躍りしてるのが目に浮かぶよ。
しかし。
まいったな。
『あいさん』に連絡した方がいいんだろうけど
連絡先もわからないし。
『水無瀬さん、携帯鳴ってね?』
『え?』
…げ。
長峰だ。
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