未来のこと

2/7
851人が本棚に入れています
本棚に追加
/479ページ
翌日 『なんだよそのドラえもんみたいなの。』 長峰さんの冷たい目。 『ちょっと……ぼんやりしてたらやけどを…』 『……馬鹿じゃねーの?』 『大丈夫か?って心配するとこでしょ! 普通!』 『ぼんやりしてたって、自業自得だろ。 反省しろ。』 そうだけどー。 じっと長峰さんを見つめた。 『なんだよ。』 『………………』 日向さんの言うひとりめの人材って 長峰さんの事かも。 悔しい。 『私、負けません!』 バンッと長峰さんの机に 書いたばかりの転属願いを叩きつけた。 『あ?なんだこれ?』 『長峰さん!推薦書書いてください!』 『それが頼む態度かよ。……転属願い?』 日向さんに選ばれる人材なればいい話! 事務職から営業職へ転属するのだ。 『……ここ、文がおかしーぞ。』 『へっ?』 サラサラと添削されていき 最後はもう、原型はなく 長峰さんの転属願いになってた。 『こんなもんだろ』 『ほとんど原型ないんですけど……』 『もっと読ませる文章書かねーと。 企画書通らねーよ。 推薦書はなるはやで書いてやるから さっさとやり直せ。』 『はいッ!』 長峰さんを追い越すには 長峰さんに教わるのが1番の早道だ。 『おーい。ミネ、今から定例会議だって! 行ける奴は全員会議室来いって!』 『わかった。』 長峰さんは坂井さんと共に 会議室に行ってしまった。 ……………………………………………………………………………………… 『なんか、のじ元気になってたね。 やけどしてるけど。』 坂井でさえも、最近のアイツの様子に気付いてた。 『だな。』 いきなり転属願い押し付けられるとは思わなかったけど。 いつも予想外の行動に走るよな。アイツ。 いきなりやけどしてくるし。 理由はどうあれ アイツが笑ってんなら、なんでもいい。
/479ページ

最初のコメントを投稿しよう!