ハリケーン

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『まぁまぁ。 明日、俺からもフォローしとくから。』 『言っときますけど! 全部矢野さんのせいですからね!』 『とりあえず、こいつら帰らすの手伝ってくれ。』 『知りませんよ! まさかそのために呼んだんですか?』 『のじが晶さんと一緒なら、こいつら二人ともお前に預けて、晶さんと飲もうと思ってたんだけどなぁ。』 『あ、晶さん狙いなら無駄ですよ? 晶さん、イケてるバーテンの彼氏さんとラブラブですから!』 ガーンッて顔。 ザマミロだ。 『じゃ俺は長峰送ってくから のじは坂井頼む。』 『わかりました。ほら、坂井さん! 家に帰りますよ!』 坂井さんの腕に手を伸ばすと いきなり長峰さんがまたしても抱きついてきた。 『やだ。俺、のじがいい。』 『はい?ちょっと…離れて…』 酔っ払いめんどくさい! 『もー、しょーがねぇな。 じゃ、チェンジな。長峰よろしく頼む。』 そう言うと、矢野さんはさっさとタクシーを捕まえて行ってしまった。 金曜日と言うこともあり、タクシーはなかなか捕まらず。 仕方なく駅の前のタクシー乗り場まで 長峰さんを引きずってきた。 『長峰さん、重いです。寄っ掛からないで!』 『んー?やだ。』 だめだこりゃ。 仕方なくそのままタクシーを待つ。 『のじはかわいいなぁ』 『はいはい。ありがとーごさいまーす。』 『日向さんやめて、俺にしない?』 『……は?』 『……………なーんて。うっそ~♪』 タクシーが1台、戻ってきて それに乗り込むと、長峰さんは直ぐにすやすやと眠ってしまった。 『なんなのよ……この人……』 なんでドキドキしたんだろう。
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