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『怖いよ~。ミネっち。』
『おい!野島ァ!お前も!
そう易々と食い物に釣られてんじゃねぇ!』
『ひッ!何なんですか急に……怖ッ!』
理不尽キングめ。
佐野さんにこの姿を見せてやりたい。
いや、むしろ
この姿を加納さんに見せたら問題解決しないか?
『しかし……ほんとになんとかしないと。
この仕事の成功は見えないよね~』
『ふっふっふ』
『?』
『のじちゃん?』
『成功への鍵はしっかり回収してきました。』
ペンケースから
ボイスレコーダーを取り出した。
『ボイスレコーダー?』
『そんなもん仕込んでたのか…』
『プレゼンなんて初めて行くので
聞き逃したりした時用に持ってたんですけど
いざS社の人達見てたらなんか変だな?って思ったので。
使用目的変更しました。』
再生ボタンを押した。
『………すげーな…』
『うん。
ミネっちの5倍くらい言い方キツいね~。』
ボイスレコーダーの中には
私達が帰ったあとの、2時間分のS社の広報部さん達の会話が記録されていた。
主に加納さんの暴言オンパレード。
仕事のやり方の説教から始まり
人格否定。
前担当者の安齋さんの悪口。
極めつけは
『私に逆らったら
広報部には居られないと思いなさい!』
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