甘いワナ

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半ば引きずられる様に連れてこられたのは… 『関様。お待ちしてました。 どうぞこちらへ。』 きちっとしたウェイターさんが てきぱきと席に案内してくれる。 『お席こちらで』 『どうも。』 『………………………』 『のじちゃん?笑 座れば?』 『あっ!はい!すみません!』 ウェイターさんが椅子を引いて待っててくれてた。 何がなんだか。 ここは私が長峰さんにチケットを渡したホテルのレストラン。 予約半年待ちの! そこにすんなり通されて 当然の様にワインやらメニューやら注文してるこの人。何者!? 『さて、とりあえずかんぱーい。』 『あ、かんぱーい………って。あの…』 『いやぁ。ミネっちが奮闘するとこ 近くで見たくて。席用意してもらったの。』 『よ、用意って……』 『俺、家金持ちなんだよね♪ ここのホテルの株もそこそこ持ってて ちょっとした株主優待?』 関さんがちょっと浮世離れしてるのは それのせいか。 妙に納得。 そしてさすが有名店。 次から次へと絶品料理が続く。 『美味しい?』 『美味しいです~!幸せ!』 関さんは料理もそこそこに ずっと私を見てニコニコしてる。 『なんですか?』 『いや、元気になって良かったなって。』 やっぱり 落ちてたの気付かれてたか。 『関さんてめざといですね。』 『ありがと。』 ほめてないけどね。
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