甘いワナ

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『ご予約のお席、こちらです』 通されたのは窓側の端の席。 横も後ろもガラスに囲まれた 夜景を楽しめる席だ。 『まぁ!素敵! こんな素敵なお席ご用意して頂けるなんて!』 プレゼンの時の厚化粧を更に厚くさせた 舞台メイクみたいな顔で 加納さんは喜んでいた。 『私、長峰くんをコンペで見たときから こうやって仲良くしたいと思ってたのよ。』 『へぇ…そうなんですか……はは……』 知らねぇー! こっちは早く帰りてーよ!馬鹿野郎! のじに詰められてなんとか来たけど やっぱ無理…… もう明日絶対顔の筋肉痛になる…… 『長峰くん?聞いてる?』 『え?あ、すみませ……』 …………ん? 俺達とは反対の壁際の席。 見覚えのある顔と目が合った。 …………関じゃねーか! アイツ、冷やかしに…… しかも女と一緒………… つーかのじ! 食べ物に釣られやがったのか! 『………でほんと困るのよね~。 誰がフォローすると思ってるのかしら! 長峰くんもそういう時ある?』 『…………むかつく。』 『そうよね~! ほんと、分かってくれるのは長峰くんだけよー!』 ん?関がなんかジェスチャーを送ってきた。 ?顔? のじも振り返ってポケットをポンポン叩く仕草。 分かってるよ。 顔が怖いと、ちゃんと記録しろ だろ。 だいぶむかつくけど やるよ。
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