甘いワナ

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『あ!長峰さん!お疲れ様です。』 1階のラウンジに行くと 妙に生き生きしたのじとニヤニヤと笑いを堪えてる関を見つけた。 『のじ……なんか違うな。いつもと。』 『え?あー。髪型ですかね? あとハイヒールを受付の亜里沙に借りて…』 髪型はサイドに編み込まれた綺麗なアップスタイルで いつもはローヒールのパンプスなのに カチッとしたビジューのついたハイヒールを履いてる。 『たかが関と飯食うだけなのに なんでそんな頑張ってんだよ。』 『たかがって! あそこを何処だと思ってんですか。 男の人はスーツ着てればいいかも知んないですけど、女の人は色々ドレスコード気にしないといけないんです!』 『俺が言いたいのはそこじゃなくて 』 『もー。ミネっち。 普通にかわいいね。って言えばいいのにー めんどくさい男だなぁ。』 『つーか関!こそこそついてきやがって!』 『まぁまぁ。それより収穫は? まさか失敗した?』 『俺、失敗しないんで。』 ボイスレコーダーをカランと置いた。 『え?今のモノマネですか?』 『のじちゃん。 めんどくさいからそこはスルーして?』 のじがソファーから立ち上がり、関の隣に座ってイヤホンをレコーダーにさした。 仕方ないから二人の向かい側に座った。 『はい、関さん。』 『ありがとー』 のじがイヤホンの片方を関にわたして 耳に取り付け、再生ボタンを押した。 ……なんか、地味にむかつく。
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