ダブルジョーカー

ダイエット

私は元々痩せやすい体質……でもなく！

初めてダイエットの本に手を出した。

お昼休みを少し早く切り上げて、フロアに戻り
ダイエット本をパラパラめくってみた。

へー、ダイエットにも色々あるんだね～

部分痩せ

糖質抜きダイエット

プチ断食

うーん？どれをやれば？

『あー、のじ。吾妻見なかった？』

長峰さんがフロアに戻って来た。

『見てないですけど。まだお昼じゃないですか？』

『そっか……ってお前、なに読んで……』

表紙を見て、悟った顔。

『無理だろ。』

『な、なんですか！勝手に見た上に失礼ですよ！』

『だってお前、供物を断れないだろ？』

『差し入れを供物って呼ばないで下さい！』

長峰さんに怒鳴っていると

『あ、のじ。居た！』

『？有加。どうかしたの？』

経理の有加がここまで訪ねて来るのは珍しい。

『この前オープンしたパン屋に今行ってきて
良かったらこれお裾分け……』

有加の視線が私の持ってるダイエット本に。

『ご、ごめん！なんでもない！』

有加がパンの袋を後ろに隠し、後ずさっていく。

『ち、違うの！ダイエットは
……明日から(？)だから！
って言うか、すごいいい匂い！食べたい！』

『で、でも………』

すると、長峰さんが笑いだした。

『ははっ！だから俺の言った通りだろ？』

『長峰さんは黙って下さい！』

『？』

有加がキョトンとした顔。