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クリスマス
ちらほらとクリスマスイルミネーションが目立つようになってきた。
『今年はのじとクリパ出来ないのか……』
お泊りに来てる亜里沙がスノードームを逆さにして呟いた。
『え?なんで?予定あるの?』
カロリー控えめなココアをテーブルに置いた。
『なんでって。
クリスマスは恋人たちの為のイベントでしょうが!』
あ、そうか。
今年は日向さんが帰ってきてるから、一緒に過ごせるんだ。
何気に初めてのクリスマス。自然と顔がにやける。
『いいなあ……』
亜里沙が私を見て、うらやましそうに呟いた。
『あ!それなら亜里沙、長峰さんと過ごせば?』
『は?何の罰ゲームよ。』
うわぁ、ものすごい嫌そうな顔。
『だって二人でご飯とか行ってるし。お似合いだよ?』
『やだよ…私、好きな人いるし。』
『えー!?聞いてなーい!だれだれ?』
思わず身を乗り出して聞くと
亜里沙はじっとこっちを見た。
?
『…秘密』
『なんでー?』
『言ったらその人、困るもん。』
も…もしかして不倫?
それだけはだめだよ…亜里沙。
『だから片思いでいいの。困らせたくないし。
その人が幸せならいいの。』
こんなに美人で強い子が
そんなに気持ちを押し殺してたなんて
全然気が付かなかった。
『…私は、亜里沙の幸せを熱望してるからね。』
『ふふ。ありがとう。のじ。』
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