不安

1/5
849人が本棚に入れています
本棚に追加
/479ページ

不安

年末年始はずーっと日向さんの家に居た。 飽きもせず、おしゃべりしたり おせちを作ったり テレビを見たり お雑煮を食べたり いっぱい映画も見て 駅伝も見て 寝るときはずっと抱き締めてくれた。 夢みたいに幸せ。 特に朝、目覚めて隣に日向さんが居る時。 結婚したら、これが普通になるんだよね。 幸せ死にしそう。 楽しい時間はあっという間。 お泊まり最終日 何故か持ってきたリュックに荷物が全然入らない! 『俺の鞄貸そうか?』 『助かります!』 日向さんが出張で使ってた鞄を貸してくれた。 鞄を開けると、中身は空っぽだったけど 横のポケットに何か封筒の様なものが入ってた。 大学病院の名前と紹介状在中の文字。 『あい?荷物、入らない?』 固まる私に気付いて、日向さんが後ろに来た。 『日向さん……これが中に。』 封筒を見せた。 『あぁ、念のためって渡されたんだ。 忘れてた。』 『治ってないんですか!?』 『一応、念のためにって言われたよ。 大丈夫だよ。』 『………私も一緒に行きますね!』 『いいよ。平日だし。 ちゃんと報告するから。』 『絶対ですよ!』 人混みを避けて 初詣にいかなかったの失敗した。 日向さんの健康祈願……今からひとりでしてこよう。
/479ページ

最初のコメントを投稿しよう!