私の適正

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私の適正

S社との仕事も無事に終える事が出来て 私も長峰さんの補佐から外れ また平穏な日々が戻って来た。 『伊瀬くん、あのね? ここの数字がおかしいのには気付いた? ここは、毎年このくらいの数字でね 明らかに誤入力しちゃってるからグラフがおかしいの。』 『えっ!あ!そっか!』 『あとこの企画書の誤字が何ヵ所かあったから丸つけといた。 それと文面的にこっちとこっちは逆の方が印象に残ると思うんだけど……… これは長峰さんに聞いた方がいいかも。』 『はい!』 『あと素材資料はなるべく最新のものを使って。古いと信用性が低く見られがちだと思う。』 『なるほど~。』 一生懸命メモを取る伊瀬くん。 『のじは営業向いてるよ。』 横で見てた坂井さんが言った。 『えっ!?何を言ってるんですか! 全く向いてませんよ!』 『そうかなぁ? のみ込み早いし、機転が利くし 人当たりもいいし……向いてるよ!』 『そうですよ~!むしろ俺より向いてます!』 『伊瀬!てめーにはプライドがねーのか!?』 『あ、ミネ。外回りお疲れー。』 『お帰りなさい。』 長峰さんが外回りから帰って来た。 私には平穏が訪れたけど 先のS社との仕事が好評で、長峰さんの元には大小様々な仕事が舞い込んで来た。 『相変わらず忙しそうですね。 何か手伝いましょうか?』 『…………いや。大丈夫。』 S社の仕事が終わってから、長峰さんはどこか私に遠慮がちな気がする。 『……あのさ、のじ。』 『はい?』 『関から聞いたんだけど。』 『関さん?』 『お前……』 ?なんだ? なんか言いにくそうな顔。 『のじーお昼いこー』 タイミング良く彩ちゃんが小さいバックを持って歩いてきた。 『うん。今行く~………あの、長峰さん?』 『いや、何でもない。忘れろ』 そう言うと、パソコンの方を向いてしまった。 『?じゃあお昼行ってきます。』 なんだろ? へんな感じ。
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