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「あれ、おかしいなぁ……」 誰もいない文書保管室で 私は探しものをしていた。 渡されたメモの書いてある番号の資料が入った箱を見つけられず 室内を何度も回りながら 一段一段、棚を調べていた。 この依頼は一課の芹沢さんだ。 『明日使いたいから出しておいてくれるかな。俺はこれから外回りで戻りが遅いんだよね。アリサちゃん頼むよ』 『分かりました。出しておきます。あの、芹沢さん…前からお願いしていますが名字で読んでいただけないでしょうか…その、他の方々に不快な思いをさせたくないので…』 『はぁ?こんなことで不快になる奴いるの?アリサちゃん気にし過ぎだってー。じゃ、頼んだよ』 芹沢さんは私の言葉に 被せ気味の声で否定すると 私の肩にポンと手を置いて カバンを持ってエレベーターホールへ 歩いていってしまった。
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