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面接に合格後、入社してから 私はあの時のエレベーターで一緒になった 彼について知る事になる。 内野リョウ。 30代半ば、独身。 身長176cm、細み。 いるだけで女子が釘付けになる 華ある容姿とは真逆の 雄弁な毒舌家であり、気まぐれ。 ビジネスへの優れた嗅覚や 人より抜き出た才気、直感的判断力が 嫌味になったり、ならかったり。 老若男女の敵も多いが味方も多い、 社内外の有名人であり、 名前を出すだけで、その場の話題に欠くことはない。 彼は私の入社した年に発足した経営戦略部所属。 先輩から聞くところによれば ここは社内の有能な人間が集まって編成された 十年先を見据えたプロジェクトを担う部署らしい。 同時に彼は、海外営業部にも席を置いている。 彼にとってはこちらがホームグラウンドだ。 海外営業部は通称・『鬼の住処』。 語学力をはじめ、豊富な知識を持ち合わせた有資格者、 経験者、能力者たち……通称『鬼』が集まる 実力主義の戦闘集団が揃った部署だ。 此処で活躍する人材には 会社を潤す利益数字を取る能力の他にも 本城部長を筆頭に統率されたチーム力や 豊かな個性を認め合う 互いの許容の広さによって 強い信頼関係を作り上げている。     
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