一、白き終焉

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 俺は自分が考えていた以上に笑い上戸らしい。  そんな呑気な発見が、自分の新たな思いに光を当てる。  英明なる梅宮の阿保全開な無謀さや頑固さに、興味が湧いてきていた。  梅宮のこの奇怪な一面に、惹き付けられる。そんな気持ち自体も自分で興味深くて、自分を持て余し始めていた。  何とも、ワクワクする状況だ。  ともすると緩む口元を、もう諦めてそのままニヤつかせながら、先刻はぐらかされた件について今一度問う。 「梅宮は、私を、従者として望んでいらっしゃるのですね」  しれっと肯定するのか、それとも膨れっ面くらい晒してくれるのか。高揚がどうにも止まらない。  梅宮は、ちょっと困ったように眉を下げた。恥ずかしそうにまぶたを閉じて、微動するまつげから少しだけ動揺を溢した。  その幼さが微笑ましい。  しかし。 「ツヅ様にはそれ以上を期待しない、それだけのことです」  再び開いた梅宮の瞳にはもう遠慮も羞恥もなかった。そこに宿る光は強く、容易に曲げられない意思が見てとれる。  それが俺の体を震わせた。  梅宮と初めて会った6年前、彼女はただ静かな子どもだった。十歳にしては口数が少なく、お行儀が良すぎる印象で、如才なく物事を“こなして”いる姿は眉を潜めるほど大人びて見えた。     
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