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翔「莉愛がいいなら、ここにもう少しいてもいいかな。」
莉「もちろんよ。退屈で死にそうだから。」
久しぶりに使用人意外と話すことに、私は心を躍らせていた。
翔「じゃあ、使用人さんにも、挨拶するよ。大事なお嬢様の部屋に勝手に男が入り込ん だ、なんて大事件だろうし。」
私は、驚愕した。
莉「あなた、頭が悪いの?この家で襲われたかもしれないんでしょう?あなたを襲った犯 人が、どこかにいるかもしれないじゃない。それに、もしかしたら、、、使用人の中 に、いない、とは、言えないし、、、。」
あくまで事実を述べただけだが、動揺する。外部から何者かが侵入していて、その人が翔を襲った、、、に違いない。
でも、さっきから動揺してしまうのは、幼い頃の記憶のせいなのかも、しれない。
翔「莉愛、、、?顔が青いよ。どうしたの?」
莉「い、いや何でもないわ。それに、今よく考えたら、記憶を失っているのに落ち着きす ぎだし、私を信用しすぎだわ、、、。」
そう、つい外部の人と話せることに興奮していて忘れていたが、彼の落ち着き方は、危機感がなさすぎる。
まるで、絵本の中の純粋な子どもの様だ。
翔は、キョトンとした顔をした後、少し寂しげな顔をした。
翔「確かに、、、。俺、記憶がないのに、変だよな。もしかしたら、こういう性格、なの かな?」
そこまで言うと、彼はニコっと笑顔を見せる。
翔「あと、実は、莉愛を初めて見た時は、頭が混乱して、恐怖を感じていたけど、スープ を飲ませて落ち着かせてくれようとしたから、落ち着いたとき、悪い人とは思わなかっ たよ。」
今度は、微笑んでいる。
翔「そ、それに、、、。落ち着いて、改めて莉愛を見た時、、、か、可愛い子だなっ て。」
今度は、頬を赤らめている。
なんて、表情豊かな人なのだろう。
きっとこの人は、純粋で、真っ白な人なのだ。
だからこそ、人を信用するのだ。
莉「あ、ありがとう、、、。」
彼の頬の赤さが移ったのだろう。頬に熱を感じた。
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